ザ・ガンにのってウルルへ |
03月04日 (水) |
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オーストラリア、ダーウィンから、アデレードまでの大陸縦断鉄道、ザ・ガンに乗って、エアーズロック、ウルルへ行った。朝9時にダーウィンを出発。2人用のキャビンは窓も大きく、ゆったりとしたソファ、よく考えられたシャワーとトイレもついている。次の日の昼までこの列車に乗っていられると思うと、うれしくて、わくわくする。見渡す限り、背の低い木と草、家もなく道もない。右側も左側も地平線。一時間も二時間も、同じ景色と言うか、何もない大陸の真ん中をごとごとと走る。
隣の夫婦は、オーストラリア人。アデレードの娘さんのところまで行くのだと言う。ラウンジへ行くと、大勢が来ていて、コーヒーやコーラを飲みながらおしゃべりをしている。食事の時間になると、アナウンスがあって、みんな食堂車に集まってくる。夫婦か、4人くらいの仲間で来ているのが多いので、4人テーブルを、その度に違う人と相席になって、交流しながらの食事となる。
何時間も変わらない窓の眺めが、不思議と退屈さを感じさせない。と言うよりも、日ごろと違う時間の流れが、なんとも心地よく、心身が緩みもったいないくらい大事な「時」を過ごしている感じだった。
途中、キャサリンで4時間列車は止まり、自由に渓谷のクルージングなどを楽しむ。地平線に沈む夕日を見ながら食事。その間にスタッフがソファを2段ベッドにセットしてくれる。暗くなれば、外は真っ暗。明かりなんて一つも見えない。窓をじっと見つめても、それは鏡となってしまう。早めに心地よい眠りに落ちる。
自然に目が覚めると、日の出の時間だ。地平線から現れる太陽。今日という日が恵みの中に始まる・・・うれしい、感謝のきもち。大自然が与えてくれるゆとりと温かさか。
アリススプリングで列車の旅は終わり、飛行機でエアーズロックへ。
エアーズロック、ウルルは、アボリジニーの聖地。アボリジニー文化に触れたくて選んだ旅だ。エアーズロックのサンライズ、を見る場所へ5時ごろから出かける。その後、エアーズロックの周りをガイドの話を聞きながら散策。エアーズロックには、登らない。
現地へ行く前、ツアー書を読むと、エアーズロック登山、と出ている。「のぼれるのなら、のぼりたいな」と思った。しかし、現地では、「Welcome to Aboriginal land」と歓迎しながら、「Please don’t climb Uluru」と、旅行者に懇願している。「のぼらないでください!」と懇願しているこの気持ち。「のぼらなくていい」と私は思う。
「のぼらなくても」周りを散策するだけで、十分楽しむことが出来、太古からの彼らの営みのほんのわずかかも知れないが、そのなんらかを受け取ることは出来る。旅行社は、ウルルへの登山を売り物にするのをやめ、散策で十分。そしてもっともっと、アボリジニーの文化を伝え、その理解を深めるツアーの組み立てをしてもらいたいものである。私の願いでもある。
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Re:ザ・ガンにのってウルルへ(03月04日)
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がのさん (2009年03月05日 23時44分)
すばらしい旅をなさいましたね。
すばらしい旅がすばらしい表現を生み出すのでしょうか、
>>何時間も変わらない窓の眺めが、不思議と退屈さを感じさせない。と
言うよりも、日ごろと違う時間の流れが、なんとも心地よく、心身が緩
みもったいないくらい大事な「時」を過ごしている感じだった。
>>自然に目が覚めると、日の出の時間だ。地平線から現れる太陽。今日
という日が恵みの中に始まる・・・うれしい、感謝のきもち。大自然が
与えてくれるゆとりと温かさか。
もう、読むものは幻視にはまったようにうっとりさせられます。朝の最
初の光、その一本一本の光線が玲瓏な露のしずくで磨きあげられた、そ
の光を浴びているような、なんとも言えないいい心地をいただきまし
た。写真も撮っておられることでしょうね。いつか見せていただきたい
ものです。
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Re:ザ・ガンにのってウルルへ(03月04日)
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おくむらみえこさん (2009年03月30日 21時19分)
やっぱりちゃこさま!
ウルルには上らないで、散策コースを選ばれている。
わたしも、2年前ケアンズから飛びました。
持ち主の深~い気持ちを無視してのぼれるものか!
散策コースを選択。
でも、それだけでは物足りなくて
戻ったホテルから午後また引き返して、ウルル一周。
角度が違う位置からウルルの声をなんとか聞きながら・・・
帰りの飛行機の窓からウルルにかかった虹発見!!
確かな体験なのに
いまでも思い出すと
シャボン玉の中で浮かんでいる気持ちになる。
ちゃこさまの文章の触れて
また、うっとりタイムを持つことができました。
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