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“冬の森”としてのラボ・ランド |
03月03日 (火) |
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週末、強引に黒姫行きの予定を入れた。
野外教育の専門家たちによるキャンプミーティングが、ラボランドであったのだ。
一昨年の秋、このキャンプMTGに同伴した我が子たちが、「また行きたい!」と言ったのが大きい。
久しぶりに予定のない週末だが、なるべく子どもを自然に還したいと思っている私としては、ここはがんばらねば!?
尻をたたくようにして参加を申し込む。
大人向けのプログラムだが、子どもも受け入れてもらえるのがありがたい。
前日、ナギは虫垂炎の疑いで学校を休んでいたから(初欠席)、やむなくおいていくつもりだったのだが、
どうしても行きたいと言う。
急遽、お医者さんに受診する。
先生は「日本のどこかでしょ?、まあ、大丈夫だろ。」と気の抜ける返事。
では、いざ、黒姫へ。
黒姫は思ったより暖かい。
今年は特に雪が少ないという。
まずは、スノーシューハイク。
スノーシューとは、雪の中をざくざく歩ける、かんじきみたいなもの。
子どもサイズもあって、緑色。
「葉っぱみたい。」
かっぱになった気分?
これで、道なき道を突き進む。
途中、動物の足跡を見つけながら、
信州アウトドアプロジェクトの、よしよしと、
国際アウトドア専門学校、F先生の解説を受けながら進む。
たぶん、どこかで道が違えば、私もこんな仕事をしていたかも…なんて思いながら。
相手は自然。
もちろんあらかじめ、下見はされたと思うが、
このコンディション、このシチュエーションで、このアクティビティをしよう、と
いうことを自分の経験と勘?とでプログラミングする仕事。
お二人とも若いのに、なかなかかっこいいなと思う。
ウサギの足跡もある。
足跡から見て、急いではいなかったらしい。
追いかけられたりせずに、ゆっくりと、ここを通り過ぎていったんだね。
想像を巡らせて、穏やかな気持ちになる。
どこまでがラボランドだったのか、小川を渡って、森を抜けると、広く開けたところに出た。
一面の雪。
こんなところ、あったんだ。
子どもたちは大喜びで、ウサギになって足跡をつけたり、転げ回ったりしている。
F先生が
「そろそろ、お茶にしましょう。」…ガンピーさんみたいだ。
「チョコフォンデュしますね。」チョ、チョコフォンデュ!
先生たちのリュックから、いろんなものが出てくる。
スコップ、バーナー、コーヒー、カップ、いちご、マシュマロ、雪を切るノコギリ。
ノコギリはイグルー(igloo)を作るためのもの。
先生がティーパーティーの準備してくださっている間に、私たちは雪でテーブルとベンチを作る。
フウはそりをし、ナギは雪だるまに挑戦。
空は水色、どこまでも澄み渡る。
遠くにはくっきりと山。なに山か、忘れてしまったけれど。
ふぁ~、幸せだなー。
無理してでも来てよかったー。
チョコフォンデュは、鍋からあげると、冷気ですぐに固まった。
熱さ冷たさ、酸っぱさ甘さの交わる、幸せの味。
コーヒーは、ちょっと松ヤニ?の味がした。
さすが、野外のプロのカップだな。
あっという間の2時間。
「では、そろそろ帰りましょうか。」
先生の声に子どもたちは「え~っっ」
よっぽど楽しかったようだ。
夕食は寄せ鍋。うまい。いつものラボランドにはない味。
体があったまる。
夜、講演会。
「日本の野外教育のこれから」信州大のH先生。
日本の学校に野外活動は定着するか?というテーマでディスカッション。
各地の自治体の先進的な取り組みを聞いたり、学校現場の(わたし的には悲観的な)現実にも前向きに可能性を見出そうとする指導者のみなさんのプロ的視点には、大きな刺激をいただいた。
続いての事例発表では、「身体知」という言葉に出会った。
経験を通して知ること、自らの感性をフル稼働して学ぶこと。
そんなふうに解釈してもよいのかな。
産学連携事業として、野外活動の専門学校と大手子ども通信教育企業とのコラボの事例を聞いた。
学校現場とは反対に、野外活動に注目する教育産業はこれから増えるのかもしれない。
学校って、先生って、絶対的に時間が足りてないな、と思う。とても残念だな。
もっと先生たちにこういう場所に参加してほしい。
(っていうか、日本の学校の教育方針を決める人たちにね。)
冬の森としてのラボランド。
夏の「動」とはまったく違う、「静」の魅力。
「静」の中にも、イキモノたちの営みの気配を感じることができる。
冬の森って、こんなにすばらしいんだ。
そう思ったのは、二日めのプログラム。
アファンの森スタッフ、Kさんによる「冬の森ネイチャーハイク」。
つづきはまた後日。
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