森下にある劇場 ベニサン・ピットの最終公演
「かもめ来るころ -松下竜一と洋子」
作・演出 ふたくちつよし
http://www.tomproject.com/works/toufuya.html
松下竜一と妻、洋子の物語
松下竜一を高橋長英、妻、洋子を斉藤とも子が演じている
貧しく、病気をかかえた身体、妻、洋子との結婚、子供の誕生
豆腐屋であった時代から、最初は自費出版の「豆腐屋の四季」が講談社から発売されベストセラーになる
「豆腐屋の四季」テレビドラマにもなり半年間放映されるが自分の生き方が
当時、反戦、反権力闘争をしていた学生たちの闘争への批判を込めた「模範青年」として利用されている事に気ずき、賛辞に疑問を感じはじめる
豆腐屋を止めて、作家となり、
大好きな干潟を守るため豊前火力発電所建設反対運動にかかわる
自分自身が弱者だ、だからこそ弱いものにたいして「弱者への優しさ」を求めたい
松下竜一の闘争の原点はここにある
しかし裁判にも闘争にも敗れ、火力発電所は稼働する
そのなかで夫婦は助け合い、2人の子を育て、3人目の子供をさずかり、
希望を失わず、「優しさが優しさのままで、強さに変わる日」を夢見て生きてゆく
河口まで歩き、かもめたちに、ちぎったたくさんのパンをまくふたり・・・
松下竜一さんと妻、洋子さんはとてもまじめなかたたちだ
そして松下竜一を演ずる高橋長英、妻、洋子を演ずる斉藤とも子さんもまじめなひとたちだ
作・演出の ふたくちつよしさんをはじめ今回の公演は
松下さん夫妻の生き方に心を寄せる人々が関わって作った芝居らしい
弱者が弱者のままに闘い、国や電力会社に敗れてなお希望を失なわない
さわやかな仕上がりの作品となっている
弱者が取り残されてゆく時代を反映して、このような作品が生まれるのであろうか
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