イプセン『人形の家』を読む
岩波文庫 原千代海訳
高校生か大学の時に読んでから久しい
解説で訳者は、『人形の家』は愛と結婚の物語であると書きはじめている
読み通してみて、男と女、結婚と破局を題材にしているが
近代人の物語であると思った
1879.5.2に書き出されたと推定され、
8.3に書き上げ,推敲、完成したのは9.2
この夫の愛は、古い価値観の中にある
妻はその事にようやく気付いた
「この8年間、あたしは他人とここで暮らして、そして3人の子を産んだ
ああ、考えてもたまらない! この身をずたずたに惹きさきたいわ」
「他人の家にこれ以上いる事はできない」
夫が他人でなくならないかぎり戻る道はない
女性の自立、妻の自立の物語ではなく
人間の自立の問題
「お前は何よりまず妻で、母親だ」
「そんなこともう信じないわ
あたしは、何よりもまず人間よ、あなたとおなじくらいにね」
妻の義務、母親の義務と同じように大切な義務がある
あたし自身に対する義務がある
と言う人間宣言の物語であった
ここでは
夫の義務、父親の義務より自分自身への義務が大事
と言う事を同時に宣言している・・・・
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