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鴻上 尚史の小説を読む 2008/05/17の日記 |
05月17日 (土) |
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鴻上 尚史 『ヘルメットをかぶった君に会いたい』 を読んだ
『すばる』2004年8月号~2005年11号フィクション
単行本は集英社2006年5月
小説なのだが、自分自身が登場するノンフィクション風の書き方をしている
青春の音楽を集めたCD全集のテレビコマーシャルに
ヘルメットをかぶった君が映る
その微笑に惹かれた鴻上がこの女性を探しはじめる
1978年四国愛媛から上京して、大学に入り、劇団をつくった鴻上自身の
思い出が同時に描かれている
紆余曲折があり、映像はニュースフィルム「新学期は始まったか」
1969年4月早稲田大学文学部正門を入った記念会堂前
新入生勧誘のシーンと判明する さらにM派のAと判明、消息を探す
1958年生まれの鴻上も1977年早稲田大学受験、法学部に入学している
学生運動を担った世代に対しては
「騒ぐだけ騒いで、荒らすだけ荒らして去っていった世代、という思い
あとには荒廃したキャンパスと徹底した管理だけが残った」
今鴻上 尚史は早稲田大学第2文学部で授業を担当している
2005年3月鴻上 尚史アーノルド・ウェスカー『キッチン』蜷川幸雄演出
に俳優として出演
Aはまだ現役の活動家であることが分かる・・・・
何者かに追われたり、諫早湾堤防の爆破をしようとを持ちかけられたり
小説は進んでゆく・・・・
ずっとあとの世代が全共闘の世代をどう見ていたのか
フィクションの形をとりながらもかなりストレートに書いている
学生運動、全共闘の世代へ愛憎とも言えるこだわりを持ち続け、
自分自身の軌跡をたどりながら、
描いてゆく作品として面白い
メモ
鴻上 尚史がいたころの管理された大学、統一教会原理研究会の勧誘活動、
女ともだちのいた筑波大学学生寮のこと
大隈講堂前でのテント公演 許可なし強行・・・・
1978年3月26日成田空港管制塔占拠事件のことも・・・
鴻上 尚史は大学入学のために上京途中、岡山駅の待合室でニュース映像を見た
『リンダ、リンダ』の劇のなかでは
諫早湾ギロチン堤防の爆破はなぜ決行されないのかという話がでてくる
崩壊しかけたロックグループののリーダーが爆破を提案・・・
タイラギ貝漁師たちの敗北(100人規模)があった、
県と国からの働きかけがあり仲間の漁師と工事会社をつくって堤防工事へ
10年後のり被害抗議行動(3県にわたる数千人規模)がおこった時には
この人たちは工事中止反対派になっている・・・
鴻上 尚史の授業
「目隠しをしてキャンパスを歩く授業・・・自分自身の「からだ」と出会う授業
6番目の感覚「身体感覚』が敏感になる
「あたま」と「からだ」の争いではいつも「からだ」に味方せよ
「本気で僕は、一度、30分以上、目隠しをすることをお薦めする。自分の視覚以外の感覚がどんどん鋭敏になることに驚くし、同時に、世界は、こんなに音と匂いと風と足の裏の感覚に溢れていることに衝撃を受けるのだ。
そして目隠しをしたままの全力疾走にも。・・・・・省略」
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