|
|
|
|
|
[一覧] << 前の日記 |
次の日記 >>
|
貧困と現実 |
04月29日 (火) |
|
首都ダッカからちょっと離れると、ダッカのバブル景気が嘘のように田園風景が広がる。遠くに稲刈りをしている人たちの影が見える。竹やジュートやトタンでできた人々の家が後方に飛んで行く。いくつかのバザールを過ぎ、熱帯雨林の間の道を走り去る。道路工事をしている。レンガをハンマーで砕いている。土を運んでいるのは、まだ子どもじゃないか・・。鉄橋に枕木を敷き詰めたような橋(電車も車もリキシャも人も通る多目的橋)を通って、昨日は首都ダッカから、ガタガタ道を、車で8時間揺られて北部のクリグラム県に着いた。リキシャや歩行者を蹴散らすためのクラクションは8時間鳴りっぱなしだった。
今日は、更に車で1時間奥地のチリマリという村へ行った。毎年洪水に見舞われ、ここバングラデシュの中で最貧地と言われている村である。ここに、我々国際こども支援団体“H&H”(Heart and Hand)<←右下からリンクできます>が教育支援している小学校がある。
着いた時は、午前の部のテスト中だった。テスト問題を書いた模造紙が、壁新聞のように黒板に貼ってある。子ども達は、その問題を見ながら白紙に答えを書いている。プリントではないのだ・・。けれども、試験を受けてる真剣な顔は同じである。
試験が終わるのを待って、新1年生に「手作りバッグ」「手作りノート」「筆箱」「鉛筆2本」を配った。子ども達の顔がぱっと輝いた。2年生にも、今回は筆箱を配った。生まれて初めて手にする筆箱である。子ども達は、鉛筆を入れたり出したり、何度も繰り返していた。
3年生には、沖縄の小学3年生が描いてくれた絵を手渡した。お花の絵と花火の絵だった。「これは何ですか?」と先生が訪ねた。「花火(Fireworks)です。」と答えたが、実際に見た事のない先生は、それが何なのかわからなかった。校長先生も見た事がなかった。「火薬を空に打ち上げると夜空に花が咲きます。」と言っったんだけど・・・想像できたかどうかはわからない。
4・5年生には、中古ノート(使った部分を破り取ったノート)と鉛筆2本を配った。日本のノートは紙がしっかりしていて、強く書いても敗れにくい・・と、子ども達は喜んでいた。
それから、里親さんからの手紙を手渡した。しっかり勉強して、せめて小学校を卒業して欲しい。
けれども、現実はとても厳しい。多くの家庭では、その日に食べるお米を買うのがやっとの生活をしている。花火などは本当に高値の花、夢の花である。今回も、小学4年生の児童が働くためや奉公や早期結婚のために学校を中退したケースがあり、悲しい現実の重みを感じた。
|
|
|
<< 前の日記 |
次の日記 >>
|
|
|
|