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鴻上尚史『僕たちの好きだった革命』を読んだ 2008/05/13の日記 |
05月13日 (火) |
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鴻上尚史『僕たちの好きだった革命』を読んだ
昨年初上演し、全国で公演した劇を小説化したもの
1969年11月3日
拓明高校自主文化祭
拓明高校全共闘の生徒が学校側によって導入された機動隊による
ガス銃の水平撃ちで眉間を撃たれ、意識を失う・・・
1999年7月 30年後に意識を回復した47歳の山崎
父母は既に他界している
1999年9月 詰め襟服の山崎が同じ拓明高校2年B組に復学する
戸惑う山崎、戸惑うクラスメイト
校門での服装検査に抗議する山崎
クラス討論をしようと呼びかける山崎
誰も応えない、山崎にいらつくクラスメイトたち
教頭はかってのリーダーであるが今では管理教育の側に立っている・・・
ロック歌手を文化祭に呼び、ライブコンサートを開きたい高校生たちと
山崎に接点が生まれる
学校側による管理、弾圧
山崎と同世代である生徒父母たちの様々な反応・・・
再び自主文化祭が企画される
「チラシをつくるのにガリ版が必要だ」「それなに?」・・・
1999年11月3日朝拓明高校で自主文化祭が強行される・・・・・
この物語が同級生の女の子、橋本によって記録されていた
その原稿を、教師になって4年目の同級生日比野が
文芸部の没原稿の袋の中に見つけだし読むという構成になっている
1969年の熱い思いを山崎は持ち続けている
1999年時代は大きく変わっている
仲間たちのその後の人生を山崎は知らない
そしてそのこどもたちとの出会い
彼の熱い思いが関わったこどもたちに何かしらを伝えてゆく
軽い演劇でありながら1969年の熱い思いを伝えようとする熱情が作家にある
「じゃ、やめれば」「や、やめてていいんですか?」
「これは強制じゃないんだ。自分の主体性と生き方のもんだいだから、やめたい人はやめていいんだよ」
山崎へ「むかつくんだよ」
「それは大変だ」ポケットから何か取り出す山崎
「太田胃酸だ。飲むと胃がスーッとするよ」
「大きな何かにすがらないで、自分が自分らしく生きたいってことじゃ、同じじゃないですか」
「俺たちは正しく戦って、正しく負けないとだめなんだ」
「正しく負ける?」
「そしたらきっと勝つ」
「自分がいいと思うことを信じてほしい いいと思うことを迷うことなく
僕がビートルズを信じたように」
・・・
鴻上尚史(こうかみしょうじ)は1958年生まれ
1969年には11歳である にもかかわらず
1969年の状況をよくつかんでこの作品を仕上げていることに感心した
物足りないところもたくさんあり
その後の日本のことがよく描けているとも思えないが
ともかく1969年の熱い思いを思い出させてくれたとだけでうれしい
演劇のときは中村雅俊が主演だったとのこと
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