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杉浦氏講演より学ぶもの |
10月21日 (日) |
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●杉浦宏昌氏講演より(九州支部秋の一泊研修)
ラボ言語研究会のメンバーの一人である杉浦宏昌先生(応用言語学・中京女子大学)は、ラボと出会った経過説明とご自分のラボ体験(キャンプ・テーマ活動)を簡単に話された後、ご自分の持論である「子供が本当に伸びる英語教育の条件」とラボメソッドが重なっている事象について話された。
以下概要↓
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◆「ことばがこどもの未来をつくる」
つまり、ラボは「こどもの未来をつくる言葉こそ『ことば』なのだ!」と決めた。
⇒ラボの言葉に対するとらえ方は「最も困難なとらえ方」なのである。
→ものすごく時間がかかる。(限界もある。)
→しかし、すごい事になる子どもたちも現れてくる。想像を超えることも起きてくる。
◆子どもが習うべきことばの条件には以下の3条件のどれも外せない。
・Real(生き生きとした本物である)
・Personal(感じられることばである)
・Interactive(他の人とのやり取りがある)
→ラボの異年齢集団の絡み合いはこれを満たしている。
◎言葉には「スピードとリズム」がある。
「スピードとリズム」に「言葉(英語)」をのせることにより、「言葉(英語)」は子どもたちに沁み込んでいく。
←音声を沢山聴くことにより培われる。
◆全ての子どもを育てる「集団のパワー」
(公立小学校での事実から)
①ALTの先生に絵本の読み聞かせをしてもらう。
②絵本+CDでクラスで楽しむ。
③何度も何度もCDをかけて楽しむ。
④CDに合う振りを考える。
⑤CDをかけながら皆でやってみる。
⑥クラス全体で練習する。
⑦全員ができるようになる。
→早く覚えた子ができない子に教えたりして、自力走行が始まった。
→一斉教授では有り得ない現象。
◎↑ラボのテーマ活動のプロセスと同様のプロセスをたどっている。
⇒子どもの集団力を引き出す『指導者(テューター)の力量』が必要。
◆これからの小学校英語教育が価値あるものになる条件
①自主的努力
②一斉の整然とした「形式的統一」を排除する
③子ども仲間の絡み合い
◆子どもが本当に伸びる英語教育の条件
①「言葉を使う」という事は、機械的に読み上げたり発したりする事ではなく、イメージを作りそれを言葉で表すことである。つまり、イメージをいかに豊かに自分の中に育てることのできる子供を育ててあげる事ができるか?という事が重要である。
②豊かな母語(日本語)力
・自分の心持ちを自分の言葉で表現する体験と、そこから生じる自信と楽観。
・多くの人(他者)との関わり合いを求める自然の情熱。
◎のどから発するものが、「言葉」なのではない!
③言葉を豊かにするには、道草、寄り道、回り道が重要(必要)である。
言葉の獲得は「未完」の繰り返しである。
→テーマ活動に見る「未完」の積み重ね;うろうろする子、もじもじする子、日本語だけの子、虫食いの子etc
⇒今日の「未完」を明日の「未完」に生きるようにするには「忍耐力」と『テューターの力量』が必要である。
④子ども達は、ことばをどのように習得しているか。
・寝ている赤ちゃん:言葉の意味はわからないかもしれないが、声のリズムと状況が伝わり、相まって、意味がわかるようになっていく。
・2~3才の幼児:物を指差して「アーアー」「ウーウー」と言う度に、お母さんが「くるまがきたね」「わんわんがいるね」など言ってくれる。状況とお母さんの言葉で学習していく。
・4~5才児にとって「ないしょ」と「へそくり」は同じ?
子ども達には、大きな「イメージの入れ物」を持っていて、その中に言葉をどんどん入れていく。
⇒「イメージの入れ物」を豊かに!←豊かな体験
・小1女子の発語「スリルまんたん!」(←スリル満点のマチガイ)
→小さい頃のマチガイを訂正する必要はない。本当の音を聴かせていれば、本人の内的対話により修正されていく。
⑤ことばの情感・情緒は体験の質と量に比例して次第に濃くなる。
「ありがとう」「さようなら」「またね」「ごめんなさい」「いってらっしゃい」「おかえりなさい」
◆ラボ・パーティの子ども達が伸びる条件
①落ち着いて本物の英語を聴き込める家庭環境・雰囲気
《お父さんへおねがい》
週末に1度で良いので、子どもと一緒にCDを聴いてやって「ここが面白かったよ!」と一言言って欲しい。
⇒共有体験の蓄積
☆子どもがぐーーんと伸びる!
☆子どもとお父さんがつながることができる!
②沁み込んだ言葉は必要な時に出てくる。
例)石原慎太郎氏の子守唄:氏が孫のお守りをした時、自分が自然に古い子守唄を歌っているのに気付いた、という事例を引用。
・状況がイメージを生み、イメージが状況を生む。
・言葉が沁み込んでいる場所・深さは、子どもによって違う。
→ある言葉の意味を本当に味わって言葉を自分のものにするには、いろいろな体験によって「言葉の重なり」の中で培われる。
③努力は直線、成長は曲線
→努力を絶え間なく積み重ねた時、成長はある時突然現われる。
④「ことばが伝わる」とはどういうことか?
例)子ども達の心持ちがこちらに響いてくるテーマ活動⇒ことばが伝わった瞬間!
◆学習量から見た英語教育の現状
子ども達はことば(英語)をどれくらう蓄積しているのか?
<比較>母国語:6時間×365日=2190時間/年間
・小学校英語授業:年間29時間(50分×35回)
2000時間(母国語の1年分相当)に到達するには69年間かかる。
・ラボ・パーティ:年間200時間
物語のCD聴き込み 年間150時間:30分×100回=50時間(3ヶ月)を年3回
テーマ活動 年間53時間:60分×53回=53時間
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Re:杉浦氏講演より学ぶもの(10月21日)
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返事を書く |
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トミーさん (2007年10月25日 22時25分)
研修お疲れ様でした。
杉浦さんの講演録、素晴らしくまとめてあって再度勉強させてもらいま
した。もし良かったらコピーして使わせてもらっても良いですか?
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Re:Re:杉浦氏講演より学ぶもの(10月21日)
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返事を書く |
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フェニックスさん (2007年10月26日 08時44分)
トミーさん
研修お疲れ様でした。
研修中は、時間割がびっしりで、お互い仲々ゆっくり話す時間がなかっ
たですね。お役に立てるようでしたら、どうぞお使いください。
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