ムンク展 国立西洋美術館
今回の展示方法はとてもよかった
ムンク自身が作品を帯状に展示することで
一つ一つの作品が違って見えることに気づき
飾り方を様々に変えて、その効果を試していたという
中心的な作品群を『命のフリーズ』と名付けその展示を工夫していた
その装飾性を重んじ、それによって飾られた芸術家の家を造ろうとしていた
1863年生まれ、父は医師
5歳で母を亡くし、さらに結核で姉を亡くす
有名な『叫び』は1983年、30 歳の作品
同じ年『絶望』『声/夏の夜』1984年『不安』
彼の亡くなった歳は80歳である
私はもっと早く亡くなったと思いこんでいた
前にムンク展を見たときには、薄く、いい加減に塗られた筆あとや
輪郭のはっきりしない顔や身体の描写をみて
この作者は晩年は狂っていたのだと思った
今回の展示では
リンデフリーズ 眼科医の依頼で書いたこども部屋のための連作
ラインハルト・フリーズ ベルリン小劇場の装飾のための連作
オスロ大学講堂のための連作 11点を7年かけて書き上げた
フレイア・フリーズ チョコレート工場の食堂に飾った連作12点
労働者フリーズ オスロ市庁舎のための壁画プロジェクト
と充実した晩年だったことがわかる
映像で紹介されたことば
私は作品において謎を解き明かそうとしてきた
命とはいったい何なのか (記憶によるメモ)
私の作品を見た人がその答えを見つけることができたなら私はうれしい
『不安』1894年
『命のダンス』1925-29年
|