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友の追悼 |
05月16日 (水) |
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私的な事ながら、個展のほうは、おかげさまで非常に満足できる会として終わった。このあと、絵を紹介しながら旅の思い出や、感想などを綴っていきたいと思っていたが、まず先に、一枚の絵とともに、友の追悼をしなくてはならない。
展覧会が始まる直前、突然の事故で亡くなった友の訃報が飛び込んできた。個展の最中、夕方の新幹線を使って最終で帰るという無理をしてやっと通夜にだけ参列した。30年余にわたるつき合い、さまざまな思いがこみ上げる。展覧会を飾っていた一枚の絵、一緒に旅行をしたスペイン、トレドの絵、この私の絵に彼女の感想文を載せて、彼女への追悼としたい。
「丘の上に立つ。眼に飛び込んできたトレドの街。幻の世界かと感じた。街を一望し、じっと眼を凝らしていると、昔人(むかしびと)の力が伝わってくる気がした。
街をめぐる川の白い泡が、公害だという説明を聞き、現実に引き戻された。
プラド美術館の数々の絵は、どれも強烈で、見るものを圧する力がある。プラドですごい絵たちに出会い、それからトレド、旅が進むにつれて、妙にわくわくとうれしくなっていった。それは多分、予備知識を持たず、未知の国スペインに入り、自国の文化との違いにとまどっていたのであろう。
それが、コルドバ、メスキータに至って、イスラム、ユダヤ、カソリック、それらの民族の力強い個性をみせつけられて、次第にいい気分になっていったのであろう。それにしても、イスラムとカソリックが渾然一体となったメスキータの面白さを表現する言葉を知らない。そしてそれが、現在、その姿をとどめ、見るものを魅了する。
バスの中から見るオリーブ畑の美しさ、ロンダに入るとき、マラガを通らなかったのは残念だったけれど、町から町へ、村から村へと移り行く景色は私を十分楽しませた。
最後の街フロンテーラののんびり散策はよかった。最後の夜アルコス・デ・ラ・フロンテーラ、Tさんとウイスキーで夜を飾った。パラドールのテラスから外を見た。夜空は黒ではなかった。澄んだ濃いブルー、そこに、クレッセントの月が冷たく冴えていた。Maravilloso
2年余り胸の奥に未解決のことがあった。旅から帰り、すうーと決断した。不思議である。何千年を経て古代人の強いエネルギーの“気”が私の魂にゆさぶりをかけた。これからは再生である。」
2000年2月スペインへ行ったときの彼女の感想文である。努力家で常に熱い思いと夢を持ち、教育活動に打ち込んできた。余りにも突然の死。彼女の人生にかかわりを持たれた多くの方々とともに、謹んでご冥福をお祈りする。
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ばーばーじゅこんさん (2007年05月17日 10時53分)
ちゃこさん
個展 伺えなくて本当に残念でございました。ご盛況だったと思いま
す。皆様お元気でしたか?
K.さんの突然の訃報はショックでした。
200年のスペイン旅行、ご一緒に眼にしたトレドの街の景観は忘れら
れません。”Las Labas”のメンバーの一人としても、心よりご冥福をお
祈りいたします。
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