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子どもに帰る |
02月16日 (金) |
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2年ぶりに特別擁護老人ホームに入っている伯母を訪ねた。
梅の香の漂う湘南の海の近く、伯母の誕生日に合わせて行くつもりにはしているものの、なかなか実行に至らないまま、とうとう去年も「卆寿」のお祝いにも会いに行っていなかった。
立て替えられて、真新しく斬新な個室のベッドの上に、伯母は横たわったまま動かない。
看護士さんいわく、少し前から調子が悪く、今日は食欲もなく、38度の熱も出しているとのこと。 病院では特に悪いところもなかったとの説明を受け、少しほっとするも、顔を近くに寄せ大きな声で私の名を耳元で言ってやっと分かってもらえた。 2年前に子ども2人を連れてたずねたときは、うっすらと頬に紅をさし、パブリックスペースで車椅子に座ったまま新聞をよんでいたのに。 息子が手品を披露すると声にならぬ言葉で、何度も何度も喜んでくれたっけ。
「こういう所に長くいると、精神的にも参ってそれが体にもでるんですよね・・・」という看護士さんの言葉に、この2年のブランクを強く後悔した。 ラボッ子の2年間の成長にはこちらにも元気がみなぎってくる。世間から離れたこの空間で伯母にとっての2年という年月はやはり同じように流れていたのだ・・・
もう一度熱を測ると37度まで下がっていたのを見て「ほらね、おうちの方が見えるとそれだけでホット安心して、熱も下がるんですよね。
子どもとおんなじです。 保育園で具合の悪くなった子が、母親が迎えに来たとたん治っちゃう・・まさにアレですよ。」
時々私が未だ居るか確かめようと薄目を開ける伯母、握ったその手から伝わる体温はもう平熱のようだった。
ああ、いつも子どもばかり見ている私の目に映ったのは、90年を生き抜いている伯母の寝顔・・・子どものように無邪気だ。
またきっと近いうちに皆で来るからね~~~♪と本気で約束してきた。
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