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アンドレイ・タルコフスキー 『ストーカー』1979年 |
11月26日 (日) |
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アンドレイ・タルコフスキー 1979年の映画
カフェで店の主人が起き出してくる
男が入ってきて誰かを待っている
貧しい家、一つのベッドに、家族が眠っている
男が起き、出かけようとする
「捕まれば禁固10年、出てきたときには私たちはいない・・」
「静かに・・・、娘が起きる」
止める妻を振りきって、男が出かける
身を床に、激しく悲しみ、嘆く妻
カフェで3人の男が合流する
ゾーンの案内人であるストーカーと作家、物理学者
ゾーンはとても危険なところ出あり、軍隊が入っても壊滅したなので
閉鎖されている
だがゾーンには希望をかなえる場所があり、ストーカーの案内でそこに行こうとしている
チェルノブイリを思い起こさせるがチェルノブイリの事故は映画の後である
映画の終わり近くストーカーの住む町の遠景に原子力発電炉が並んでいる
アンドレイ・タルコフスキーの予感を感じさせた
参考
チェルノブイリ原子力発電所(ウクライナ、チェルノブイリ近郊)
1971年着工、1978年5月1号炉営業運転開始
1986年4月26日1時23分(モスクワ時間)4号炉爆発。
その後1号炉~3号炉の運転は続けられたが、2000年に稼動停止
進入禁止のため、警備隊の激しい銃撃を受けながらもゾーンに進入
持ってきたガソリンを入れた引き込み線の軌道車でさらに深く入り込む
ストーカーはコインに結びつけたひもを投げ、比較的安全そうな道を捜しながら前に進む・・・
作家はそれを無視してまっすぐに進むが、途中何者かの声がして半信半疑ながら引き返す
ストーカーはいう
「ゾーンにはたくさんの罠がある」
「ゾーンの罠を作っているのは、進入した人の無意識なのだ」
「ゾーンの状況は刻々変化する、じっとしていると危険だ」
「同じ道を戻ってはいけない」
「苦しんだ人、死んだ人をたくさん見てきた」
「ここで死んだ男は詩人だった」
「苦しんでいる人が通り抜けられるようだ」
(「ゾーンから戻った人を知っているのか」)
「願いは叶ったが、一週間後に自殺した・・・」・・・・・
風によって揺れる草木のそよぎが、ゆっくりと流れる水や水たまりが、
現れた黒い犬、深い井戸、壊滅し鉄屑と化した戦車、捨てられた廃棄物、
放置され崩れつつある工場の廃墟が
霊的な力を感じさせ、罠のように思えてくる
SF映画ともいえるが、現代の寓話のようである・・・
そして希望は・・・・
作家や物理学者に代表されている知識人へのストーカーの怒り
しかもストーカーは何も出来ない無力な存在である
深い絶望の映画である
妻はストーカーをやさしく眠らせる
霊的な力があるのか、ひとりで本を読んでいた娘が
テーブルの上のコップを触らずに動かす・・・・
最後に、かすかなかすかな希望があって映画が終わる
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