久しぶりに読んだ福音館の「こどものとも」50周年プログの中のエッセーで
「こどものとも」編集長作田真知子の言葉が印象的だったのでご紹介。
『子どもたちは、ほんものとにせものをすぐに見抜きます。同じおもしろいものでも、ほんものはなんどでも味わいたいし、にせものはすぐに飽きてしまいます。「子どもといっしょに楽しみたい」から、ほんものの楽しさを味わえる表現をめざす人がたくさんいたから、こんなにたくさんの「こどものとも」は誕生をくりかえすことができたのでした。
私たち「こどものとも編集部」はそういう人たちとこれまでもこれからも仕事ができて、ほんとうに幸せだと思います! 何が子どもたちにとって、おいしくて栄養になる食べ物のように、楽しくていつまでも心に残る絵本なのか、模範解答などありません。なぜかというと絵本は一冊ずつ、うみだす親も違えば、親がたいせつにしていること、面白いと感じていることも違う。親が美しいと感じていること、愉快だと感じる絵も違う。まるでひとりの人間みたいなものです。だから模範解答などないのがあたりまえ。そのできかけの絵本の声に、耳をすまして、一冊ずつその絵本が求めているおもしろさ(それはかならずしもその親が求めているものがすべてではありません)をめざして努力するのが私たち編集部の仕事です。思いっきり自由に、思いっきり楽しい絵本をめざして。
だから私たち編集部のひとりひとりは、いつもできかけの絵本の声が聞こえるように、自分自身のこころの耳を澄ませているようにするという、簡単なようでいてむずかしい仕事を背負っているとも言えます。ほんとうのことばに出会い、ほんとうの絵に出会い、ほんとうの楽しさに出会うために。そして毎月一冊のおもしろい「こどものとも」を子どもたちの心に届けるために。』
ラボでも、子どもたちのために本物を与えようと同じ精神でラボライブラリーに取り組み、子どもたちと共に楽しんでいます。同じ絵本でも子どもたち一人ひとりの反応が違うし、どんな風に感じているのか?何を表現したいのか?日々心の耳を澄まして、活動してるんですよね。やっぱり目指すものを同じなんですよね!
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