山田太一 終わりに見た街
「今朝目覚めたら昭和19年だった」
昭和19年9月17日にタイムスリップしてしまった家族の物語
番組のホームページ
http://www.tv-asahi.co.jp/owari/
テレビ朝日で23年前につくられた作品のリメイクだということだ
前回は細川俊之、
前回の上映はとてもインパクトがあったらしい
番組の掲示板に
「子供のときに家族と見て、ほんとに怖かったのを覚えています。夢で何度もうなされました。」
「朝、目覚めるのが怖くて、眠れなかった記憶があります。」
というような書き込みがたくさんありました
多くは30代前半の女性でした
小学校高学年で見た人たちには特に強烈だったようです
今回は中井貴一、柳沢慎吾
掲示板で見るととても好評である
その大きな理由は毎日の日常がある日、
戦争に巻き込まれた日常に変わってしまうという危険への不安、
恐怖を感じさせるドラマだからであろう
私は幽霊ものやタイムスリップものはどちらかというと
あまり好きではない
しかし見ているうちに、昭和19年戦時下の生活を生きなければならない主人公一家に
次第、次第に同情させられた
やっと戸籍を手に入れ戦時下を生き延びようとする
「あと一年たてば戦争は終わる」・・・
工場では毎日気合いを入れると殴られ
配給では足りない食料、空腹、
闇の食料を手に入れるのに苦労し
栄養失調に苦しみ、
ただでさえたいへんな毎日を生きるのだが
「私たちはこの戦争の結果を知っている
3月10日の東京大空襲で何万人も死んだことも知っている
私たちが何もしないのは、こんなに苦労してここにいる意味がない」
と3月10日の大空襲から市民を助けようと危険を冒す
流言飛語を飛ばすものとして追いかけられ、必死に家に逃げ帰る
だがそうした夫婦をこどもたちは批判しはじめる
「私たちは今を生きている 昔話はもういい
この戦争に死にものぐるいで勝たなくてはいけない
お父さんたちは負けていいと思っているのか」と・・・・
このドラマがどう終わるのか、きっと何かのきっかけで平成に戻るのだろうと見ているうちに
終戦を迎える前に一家は空襲に会い、逃げるなかでバラバラになる
最後のシーンで片腕を失い出血して死にかけている主人公が目を覚ます
倒れているところからは、都庁の残骸や、東京タワーの残骸が見え
昭和20年ではなく
いつの間にか戦争に巻き込まれた廃墟と化した現代の東京になっている・・・・
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