造船所。宮城県塩釜。油絵。30号。
松島から塩釜までのクルージング。たくさんのかもめに追われながら、やがて塩釜に着くというとき、船の中から見た光景だ。この絵を描いてから五年ほどたち、再び塩釜へいく機会があった。ぜひこの絵のところが見たいと思って、船に乗った。「ここだ!ここだ。」・・・何も変わっていないではないか。
懐かしさに、船を下りてから、今度は、対岸を歩いて、三度この造船所をまじまじと見ていた。
それから、塩釜の駅の近くのおすし屋へ入った。カウンターですし屋の主人と話をしながら飲んで食べて、・・・そのうちこの造船所を絵に描いた話になった。たまたま持ち合わせていたこの絵の写真を見せると、「ああ、ここねェ。いいねェ。今ここのだんなは、足を痛めて、杖をついて歩いているよ。わし、なかいいよ。この写真見せたら喜ぶよ」という話。
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