ユリシーズの瞳 (1995)
TO VLEMMA TOU ODYSSEA
THE LOOK OF ULYSSES
ULYSSES' GAZE
監督: テオ・アンゲロプロス
製作国 フランス/イタリア/ギリシャ
初公開年月 1996/02
上映時間 177 分
「エレニの旅」公開記念 特集:テオ・アンゲロプロス
2005.10/29(土)─11/11(金) 吉祥寺バウスシアターの
テオ・アンゲロプロス特集ホームページ
http://www.baustheater.com/teo.htm
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故郷のギリシャにアメリカに亡命した映画監督(ハーベイ・カイテル)が帰ってくる
その年で自分の作品は政治的な対立のなかで上映されている
個人的にはバルカン半島最初の映画作家マナキス兄弟についての映画を作るためだった
彼はマナキス兄弟が撮ったフィルム、未現像だという幻の3巻を求めて、
アルバニア、ルーマニア、サラエボと旅をする
動乱のサラエボで、人を捜し続ける・・・
それは同時に自分の過去への旅でもある
霧の日、「霧は友だちだ 霧の日サラエボは昔に戻る、
霧の日は祭りだ、外へ出よう 家族にもあってほしい」
廃虚のサラエボ、霧のなかたくさんの人々が出てくる
民族を超えて集まってきた音楽家たちが、他民族音楽集団をつくって
霧のなかで演奏している
その旋律の美しさ・・・聴いている人、歩きながら聴いている人、
「ロミオとジュリエット」を演じているグループもいる
砲撃の音も止み、狙撃もない
幼い兄妹をふくめた家族との散歩、
そして霧の中に車が止まり・・・
過去も現在も動乱の続くバルカン半島を舞台にした、映像詩
(95年カンヌ国際映画祭グランプリ(審査員特別大賞)受賞作)
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テオ・アンゲロプロスの映画は
政治に翻弄され、犠牲になって傷つき、死んでゆく人々の悲しみを描いている
そこに描かれる人物の悲しみは、その人物の悲しみにとどまらず
その国の人々、その地域の人々全体の悲しみとして
画面に重ねられている
そして死んでいった人々への哀悼
今の世界を変えることの出来ない悔しさが画面を覆っている
画面構成の美しさ、美しい旋律がその悲しみや悔しさをさらに強く訴えてくる・・・
テオ・アンゲロプロスのプロフィール
http://www.bowjapan.com/eleni/angelopoulos/profile/
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