旅芸人の記録 (1974年 ギリシャ)を見た
多分30年ぶりに
監督: テオ・アンゲロプロス
最新作『エレニの旅』ホームページ
http://www.bowjapan.com/eleni/index.php
テオ・アンゲロプロス の紹介ページ
http://www.bowjapan.com/eleni/angelopoulos/profile/
テオ・アンゲロブロス『エレニの旅』を見てギリシャ現代史を思う
06月15日の日記
https://www.labo-party.jp/hiroba/top.php?PAGE=kaze2003&MENU=DIARYDETAIL&DIARY_ID=21547
1939年から1952年のギリシャ
旅回りの一座が「目撃」する激動の政治
メタクサス将軍の独裁、ナチスの侵攻、イギリス軍の進駐、
ギリシャ共産党と右派との内戦、
パパゴス元帥の右翼独裁政権の登場
そして旅芸人に一座に起こる神話の物語
登場人物にアトレウス家の古代ギリシャ神話を重ね合わせている
父アガメムノン、母クリュタイムネストラ、
長女エレクトラ、息子オレステス、そして母の愛人アイギストス
裏切りによる父の死
エレクトラとオレステスによる復讐
オレステスの死
この映画の中のギリシャはいつも曇り空
青空は一度もなかった
雨が降り、雪が降り、冷たい風が吹いている
家に帰ってギリシャの歴史をあらためて確かめた
ギリシャの近代史もまた内戦の続く血の歴史である
テオ・アンゲロプロス がこの映画を撮った1974年
ギリシャは厳しい軍事政権下にあり、公開できる見通しは全くなかったという
「私が描きたかったのは“レジスタンスの世代”です。
つまり、メタクサスの独裁に反対し、第二次世界大戦を闘い、
民族解放戦線(EAM)に入って、山に籠って抵抗した人々です。
出来事の圧力によって立場をはっきりとさせざるを得なくなり、
その為、勿論左翼の立場から“レジスタンスの世代”とみなされたあらゆる人々です」
「すべてはごく普通の民衆の視点から示されます。
その同じ民衆が、出来事の諸々の帰結を背負わなければならないのです。
この作品は、近年のギリシャ史の一分析である以上に、民衆的な叙事詩なのです」(アンゲロプロスのことば)
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