絵本の作家たち(山本容子さん) |
09月15日 (木) |
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昨日借りてきた本の中で、別冊太陽が出している「絵本の作家たち」に、山本容子さんも紹介されている。
この中でラボの「Alice in Wonderland」のことも紹介されていました。
そこで印象に残ったのが、
“「白雪姫」や「Alice in Wonderland」など誰でも知っている話を描く時に困ったのは、小さい頃にお母さんが見せてくれた映画はみんなディズニーだったこと。そうすると、「白雪姫」と言った途端「♪ハイホ~ハイホ~♪」っていう、あのイメージが出てきて、7人の小人も白雪姫もディズニー映画の顔で頭の中に浮かんでしまう。お妃もみ~んなディズニー。それで困ってしまって、どうやって描こうかと考えた時に「そうだ、あの中で覚えてない人から描けばいい」と思って、チェコのキュービズムなどを借りて狩人の絵から描き始めた。そうしたら、その狩人に命令するお妃を描き、そのお妃と全く反対側の女性として、白雪姫の母親を、そうしてその母親の良く似た女性を成長した白雪姫として描き、毒りんごの場面ができ、それからやっとその女性の子供の頃として幼い白雪姫が描けて、その子が森の中をさまよって小人の家を見つけるので、その家が描けた。で、その家に住んでいる人はどんな人だろう、というのでやっと7人の小人が出てきた。
「Alice in Wonderland」の時もそう。この話はディズニーだけではなくて、テニエルをはじめとしてたくさんの人が描いているわけでしょう。それで姪の有に捧げようと思って、その姪の顔を描こうと思った。そういう自分の私的なことを引っ張り出してこないとなかなかアリスというキャラクターが出てこない。それに帽子屋の男をルイス・キャロルにして、それでやっと描けたんです。”
というのが載っていました。とても興味深い話でしょう?こんな風に絵本の絵って描かれているんですね。人によって描き方も順番も違うのでしょうが・・・
それにしても、いかにディズニーがものすごい影響を残しているかなんだか怖くなりますね。与える大人は、偏った物だけではなく、色んな物を見せて物を見る目を育ててあげないといけないな!
この「絵本の作家たち」は、日本を代表する絵本作家が、何を見て、何を感じ、どういう創作をしてきたのか?日本を代表する表現者であり、かつ私たち自身が大好きな絵本のつくり手に会いに行き、それをじっくり聞きたい。仕事場を見せてもらってその空気を感じ共有したいという思いから作られた本です。かなり読み応えも見ごたえもあります。著名な作家さんの仕事場って興味ありますよね?すでに読まれた方もいると思いますが・・・
その中でも一番興味があった最近亡くなられた長新太さんが最初に登場する。
ナンセンスな絵本がたくさんあって、大人は良く分からないなあと思う人がいるようで、
「こんなわけの分からない絵本は、けしからん!」ってことになる。
でも長さんいわく、
『ナンセンスなのに、意味を探ろうという意志があまりに強いから混乱する。この作品は何を言わんとしているんだろうとか、あんまり考えすぎるからわけわかんなくなってくる。子供はストレートに面白いなあと思う。そのへんの差がすごい。大人はみんな子供だったのに、いつ頃からそういうものがなくなるんでしょうね?いいものを削ぎ落として、成長するのが大人っていうことになっちゃう(なんて悲しいことでしょう?)
いつもいうことだけれど、子供の感覚ってすごい!そういうのを相手に絵本を作っているんだから「与えてやる」とか子供のために描くみたいのじゃダメな気がする。対等だよね』
って話されています。
やっぱり一流の人が思うことは同じ「子供には本物を」ですよね。
先週長さんの「はんぶんタヌキ」を小学生のグループで読んだら、小6の子は最初かなり馬鹿にして見てた感じでしたが、どんどん展開する「あらあらはんぶんタヌキです」にすっかり参ってました。やっぱり絵のパワーがすごいなあと思った日でした。
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Re:絵本の作家たち(山本容子さん)(09月15日)
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ゆみねーさん (2005年09月15日 20時44分)
こんにちは!
確かにディズニーの影響は大きいですね。
ピーターパンの絵を描けば緑になるし・・・
そしてそれらのお話はディズニーのお話なんだと、焼きついてしまってるのが
怖いです。ラボママにもよく話しますが「え~ディズニーのお話かと思ってま
した」といわれます。
本当のお話を伝えていきたいですね。
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Re:Re:絵本の作家たち(山本容子さん)(09月15日)
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トミーさん (2005年09月15日 21時09分)
ゆみねーさん
ホントにそうですね。
子供って何度も何度も同じ物見るから、かなりの刷り込みがあってるようで怖
いですよね。与える大人がしっかり良い物を見る目を持たなくては!!
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Re:絵本の作家たち(山本容子さん)(09月15日)
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フェニックスさん (2005年09月26日 20時14分)
宮崎に山本容子さんが来た時、講演を聴きに会場へ足を運びました。あの「ア
リス」のCuriouser,curiouser・・・の頁の絵が大スクリーンにアップに映
し出されました。「私、全く下書(描)きをしないで描(書)くんです。絵も
文字も・・。文字なんか版画なので反対に書かなきゃならないんで頭の中で変
換して書くんです・・。」と言っていたのを思い出しました。凄いな~・・と
思いました。兎が駆けたり、アリスが大きくなったり小さくなったりするとこ
ろは、日本の巻物手法で遊んだと言っていました。いちも遊び心を忘れない山
本容子さんの絵を見る楽しみが倍増した講演会でした。
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Re:Re:絵本の作家たち(山本容子さん)(09月15日)
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トミーさん (2005年09月26日 20時42分)
フェニックスさん
訪問有難うございます。お元気ですか?
それにしても山本容子さんの講演ってラボとは関係ないものだったんですか?
直接お話を聞くことができるなんてラッキーですよね。宮崎であったんですね
~いいなあ!佐賀には中々有名な方は来ませんからね~
もうず~っと前ですが、椎名誠さんの「モンゴルの白い馬」の映像と講演会は
佐賀に来たので、しっかり見に行きました。スーホの世界そのままのモンゴル
を映像で見られたことは、ずっと記憶に残っています。本で読むより映像だと
残る物が違いますね。だからターシャ・テューダーのことも映像で見られたこ
とは、とてもラッキーでした。
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