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平和への道のり |
08月15日 (月) |
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ストリートチルドレンは首都ダッカだけで22万人以上といわれ、毎日増え続けている。汚れた服、破れた服、服も着てない子たちが物乞いをしている。街にはリキシャが溢れ、ホコリとスモッグで包まれている。市場の果物や魚には銀バエが群がっている。 金持ちの家では、7、8才のこどもが子守りをしたり掃除をしたり……。緑の藻がはった池では、洗濯をする人、体を洗う人…… 。その日の家族の食をつなぐために学校へ行かずに働かなければならない子ども達……。富は一部の特権階級に集中し、賄賂が横行する社会。
友人を訪ねて初めてバングラデシュの地を踏んだ私は、想像を超える目の前の現実に大きなショックを受けた。2001年春のことである。
ラボ活動を通して、日本の子どもたちの健全な成長のために活動している私は、彼らと同年代の多くのチャイルドレイバーの存在に無関心でいることができなかった。同じ地球に住む仲間として、21世紀を生きる子どもたちのために何かできる事はないだろうか・・と考えてみた。
やはり底辺の意識の底上げ=教育しかない!
しかし、どうやって……?
教育を受ける機会を奪われ労働を余儀なくされている子ども達は、自分達が理不尽な立場に置かれている事すら意識していない。貧困の連鎖を断ち切り、平和な世界を築いていくために基礎教育の充実は欠かせない。
「一年でも二年でも小学校に通うチャンスをつくってあげることから始めよう」と、2001年、国際こども支援団体“H&H”(Heart and Hand)を立ち上げた。その活動は、わずか3人の子どもの小学校教育支援と、その子たちの通う小学校に在籍する全児童に文具を支援することからスタートした。2003年より、現地NGOチンナムクルバングラデシュと協働して、北部クリグラム県での教育支援活動に取り組んできた。2005年現在、38名の子供たちが“H&H”教育里親支援制度で小学校に通学している。
「すべての人に教育を」と、世界の貧困撲滅を目的として国連が提唱し、各国政府が同意した「ミレニアム開発目標」に八つの目標が掲げられている。その中に「2015年までに世界中すべての人に無償基礎教育を提供すること」「2015年までに初等・中等教育における男女の平等を実現すること」がある。
バングラデシュの義務教育は5年生までだが、いまだに小学校卒業率は30数%にとどまっていて、「すべての人に教育を」の目標にはまだまだほど遠い。しかし、点から線に、そして線から面に、この四年間に活動を広げてきたように地道に活動し、心と手を取り合って国際平和を築いて行きたい。
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