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成瀬巳喜男の世界『稲妻』『おかあさん』 |
07月11日 (月) |
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池袋 新文芸座 成瀬巳喜男の世界へ
今日は『稲妻』と『おかあさん』
二つともはじめて見ましたが
予想を遥かに越えた、たいへん素晴らしい映画でした
1952年大映『稲妻』
下町の4人姉兄の3女 バスガイドの高峰秀子
家族、腹違いの姉たちとの葛藤がつくづくいやになり 家を出て
世田谷に下宿 隣の家からはピアノを練習している音がする
文化的なものへのあこがれがある
「貯金がいくらあるか知ってる? 7500円
鍋や釜を買ったから減っちゃった
お母さん、浴衣買ってあげる バーゲンの安いの」
「バーゲンの安いのはいやだよ」
「いつか大きな本箱を買って、そこに好きな本を並べたい」
みんなのシネマレビュー『稲妻』より
http://www.jtnews.jp/cgi-bin/review.cgi?TITLE_NO=7755
1952年新東宝『おかあさん』
戦災で焼け出され、お父さんは腕のいいクリーニング職人
クリーニング店を再度始めようと頑張っている家族
お父さん 三島雅夫は守衛
お母さん、田中絹代はお菓子を売る露天を出している
隣の露天は戦争未亡人の沢村貞子 燐寸やお線香など売っている
長女、香川京子は野原によしず張りの今川焼きの露店を出している
(夏はアイスキャンデーを売っている)
病気で家に入る兄、次女の小学生、預かっている男の子
おかあさんの妹は戦争未亡人、住み込みで髪結いの技術を身につけている
そのためお母さんは妹のひとり息子を預かっている
兄派一度療養所に入るが、脱走して帰ってきてしまう、
その後病気が重くなり、亡くなってしまう
念願かなってクリーニング屋さんを再度始めた父も病気にかかり
お金の心配もあって入院しないままに家で亡くなってしまう
葬式のために着物を質へ
店は父の弟分である捕虜帰りの職人、加東大介の助けで続けてゆく
母、長女が働きながらクリーニングの仕事を覚えてゆく
1952年
道路は砂利道である
木でつくったゴミ箱
走っている車の鉄板が厚く丈夫そうだ 今ではクラシックカー
バスはボンネットバス
オート三輪、リヤカー
着物姿の女性が多い
買い物かごを下げての普段の買い物
家は開放的で一階も二階も風が入って涼しそうだ
(冬は寒いにしても 暖房は火鉢とこたつ)
家族で向丘遊園地で遊ぶ場面がある 飛行塔やウオーターシュート
電話がないうちがほとんどなので、人は「いきなり」訪ねてくる
手紙を出しておいて行くこともある
商店街にチンドンやがにぎやかに練り歩いている
露地に物売りの声
と~ふ~、と~ふ~、包丁、刃物研ぎます、金魚~金魚~
仕事があり、暮らしがあり、涙があり、ささやかな楽しみ、笑いがある、
希望のある映画だった
終戦後7年1952年という時代の輝きがある
みんなのシネマレビュー『おかあさん』より
http://www.jtnews.
jp/cgi-bin/review.cgi?TITLE_NO=8530
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