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8時間のドライブ |
04月30日 (土) |
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ダッカから北へ約450kmのインドと国境近くのクリグラム地方を目指す。ダッカのゲストハウスを午前8時前に出発。重い支援物資を2台の車に分けて積み込み、5人ずつ分かれて乗り込む。CBの同行スタッフが各車に一人ずつと、運転手の交代要員が各一人ずつ乗り込んだので、結構狭い感じ。それでも、この国の普通の人よりはかなりゆったり目の贅沢さで出発。水を7L購入して、2台の車は前になり後になり、北を目指す。車窓からの風景は、私にとってはかなり発展したように映り、他の参加者にとっては信じられない時代へタイムスリップしたように映ったらしい(笑)。11時過ぎ、レストランでトイレと昼食をすませた。大体3分の1程度は来たことになると言う。
北へ北へ・・・。どこまでも続く田んぼ。田植えをしている人。草取りをしている人。稲刈りをしている人。日本では四季折々の風景も、年中温暖なこの国では一度に見ることができる。ちょっと不思議な感じ。道路や田んぼに牛・山羊・羊が寝そべり草を食んでいる。池や田んぼのあぜにあひるが群をなしている。
「合鴨農法や~!」とコーへイが声をあげる。
リキシャ(馬車の前の部分が馬の代わりに自転車の乗り物)が満載の人々を乗せて通り過ぎる。そこをクラクションを鳴らしながら車は駈け抜ける。
「遅れ過ぎて、結局は最先端ですね。エコな乗り物ですものね~・・。」と市職員のTさんが、半ばあきれ半ば感心して呟く。みんなお腹の底から笑う。
目の前に工場群出現。フィールドにそそり立つ煉瓦工場の煙突の群、といっても5~6個もあれば「群」に入る。重い煉瓦をざるに入れて頭に乗せて運んでいる姿が見える。石のないこの国では煉瓦はとても大事な産業である。道路舗装には砕いてじゃり程度にした物やさらに細かく砕いて粉状にした物を用いる。路傍に座ってトンカチで砕いている人々もいる。
熱帯雨林を過ぎ、バナナの林を抜け、バザールをいくつか通り、それを繰り返しながら車は北へ北へと走り抜ける。
毎年、ヒマラヤの雪解け水で氾濫するブラマプトラ川に日本のODAで建設された不似合いな立派な橋がかかっている。ジョモナブリッジ。有料橋である。通行料400タカ(日本円で約800円)だがこの国の人にとっては1万円以上払うに等しい。そこだけは、まるで日本にいるようなスムーズなドライビングを体感することができた。
しばらく走ると、今度は列車・車・リキシャ・大八車・人共用の橋がある。鉄橋を借りて使っているような橋である。ガタガタガタ・・・と通り過ぎると、思わず歓声があがる(笑)。ジェットコースターのように、バンピングの道路を通り、夕方4時少し前、目的地へ辿り着いた。
懐かしい顔の面々が迎えてくれた。汗を流して、一休みして、新鮮な食材の夕食に舌鼓。
「『三匹のこぶた』の世界のよう・・」トモミが呟いた。貧しい人々の家は藁と竹やジュートの茎を束ねただけの簡素な造り。少し余裕ができると、家はトタン製になる。金持ちの家は煉瓦造り。はっきりと見た目で貧富度がわかる国である。
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