ねずみは、今では生活に密着しているとはいえないが、昔から親しみ深い生き物だ。生活の中では、ねずみが押入れでものをかじったとか、そのために猫を飼うとか、十二支では「子」。一番初めに位置する。先日私の絵の先生が、個展をされ、テーマに十二支の動物を取り入れられたが、ねずみが一番多く、それだけ描きやすく、テーマとして取り入れやすかったらしい。因みに一番少ないのは、いのししだった。
昔話の典型で、親切な優しい気持ちの持ち主は、ねずみの誘導で、異界にいくことができ、褒美に小判をもらった。そしてとなりの悪いじいさんもまねをして、そちらは罰を受ける。「ねずみ浄土」を読んで聞かせると、面白い中に、昔話独特の地味さを感じるが、「おむすびころころ」となって、The riceball rolled,plumpity-plump, というと、うんと明るくしゃれた物語として聞こえる。
公民館の大ホールで、ラボっ子たちが、大声で、Roll and roll, thumpity-thumpとおにぎりになって部屋を斜めに転がったり、大勢のラボっ子ねずみが、楽しそうにもちつきをしたり、ラボならではの物語表現だった。
―――おむすびをなげたら、うたがきこえました。とってもいいうたでかわいいです。おじいさんはたのしくなってぜんぶなげまた。そのおれいに、ねずみのあなにつれてってくれて、もちつきをしてごちそうしました。たのしいひとときがおわって、つづらをもらった。私は、ここは、したきりすずめににていると思いました。それをとなりのわるいおじいさんが聞いて、まねをした。バカだな。そのあともぐらになってしまいました。わたしの知っている話とは、すこしちがっていました。―――E子(小2)
―――アメリカのホームステイで素語りするため、一生懸命聞いて覚えているけれど、とっても口調がいいので、楽しい。ねずみの歌が、おもしろいから早く覚えたいけど、むつかしい。ねずみの声もかわいいけれど、ぼくはとなりの欲の深いおじいさんがおもしろくてやりたい。すごい人間くさいし、本当はこんな爺さんのほうが普通かもしれないな。―――K君(中1)
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