前田美千雄追悼画文集『戦場から妻への絵手紙』
講談社1998年刊行 1500円
編者の高澤絹子さんに
戦場にあった夫から送られた手書きの絵葉書と表に書かれた文字
忙しい軍務にあって、唯一の喜びであったことが絵葉書描きであった
ほとんど毎日のように描かれている
伸びやかな筆遣いと水彩の色が素晴らしい
愛情あふれた文章も
前田美千雄さんは
大正 3年生まれ
昭和12年東京美術学校日本画科卒業
三越百貨店美術考案部就職
昭和13年現役入隊。引き続き招集され日中戦線へ
昭和17年暮れ除隊
昭和18年1月に結婚
昭和19年1月再召集 金沢市粟崎の部隊を経て
5月頃フィリピン・ルソン島へ上陸
昭和20年8月5日頃マニラ東北の山中にて戦死と推定されている
婚約時代に中国からもらった251枚
粟崎から345枚
フィリピンから貰った132枚
計728枚の手書きの絵葉書が残された
届かなかった絵葉書もたくさんあった
この絵葉書は
今は上田市の塩田平らにある戦没画学生慰霊美術館
「無言館」に預けられている
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