たぶん、ぐりとぐらを知らない子はいないくらいよく読まれている本だと思う。幼稚園などでは、「ぐりとぐら」―――ぼくらのなまえは ぐりとぐら このよでいちばんすきなのは おりょうりすること たべること ぐり ぐら ぐり ぐら・・・・が一番よく読まれるかもしれない。とにかくこのシリーズは、無邪気で明るく楽しい。小さいこどもたちは、動物、ぐりとぐらと同じ仲間になって遊ぶ。
私は12月の幼稚園ラボでは必ずこのぐりとぐらの物語をやった。おきゃくさまがサンタクロースだからでもある。新聞紙とかそこらにある紙で、くるくるっと足の形を切り抜いてたくさんバッグに入れていった。そして、right, left, right, left と楽しんだ。
大きくなると、この物語はテンポが遅く、物足りなさを感じるかもしれない。足あとを、「落とし穴だ」という実感も、むつかしかった。のねずみの目になってすべてを見ることだ。小さい子ほど、自然に自分をのねずみ(ぐりとぐら)に置き換えている。
こんな思いのある「ぐりとぐら」を先日、小学校のボランティア「えいごであそぼ」に持っていった。思わぬ面白いことが起こった。読み聞かせをしてから、CDをながした。そして例の「あしあと」を並べた。すると子供たちは、「なんやこれ」「おとしあなか」「わかった、あしあとだ」「なにのあしあと?」「きつねか?」「ちがう」「くまかなあ」「ちがう、もっと大きい」・・・とがやがややりだして、CDを無視。ところが大体物語りは、分かっていて、そのがやがやのまま、ほとんど最後まで、お話を進めてしまった。(ラボをやっている子は、一人もいない)われわれの言うテーマ活動とは、基本的に誰がやっても楽しいものなんだと思った。
―――とってもゆかいなおはなしです。二人は仲良しで、いつもおなじところにいるね。サンタさんがうちにきて、ケーキをやいてくれるなんて、いいな。ゆめみたい。すごく大きいケーキだったね。おともだちをみんなよんでたのしいクリスマスイブでした。―――C子(小1)
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