ナイチンゲール(アンデルセン) |
07月04日 (日) |
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世界的に有名な童話作家アンデルセンの作品集を、挿絵で飾るとしたら、あなたはどんなイラストレーターにその仕事を任せますか。もしも運命的な結びつきを大切にするとすれば、第一の候補者は、あの「太陽の東 月の西」の黄金期の挿絵画家、カイ・ニールセンではないでしょうか。なぜなら二人は、共にデンマーク人であった上、あまりに似すぎた境遇にあったからです。―――と、荒俣宏さんがいっている。私の好きなカイ・ニールセン。やはり新書館から出されているアンデルセン童話集は、私の手放せない本のひとつではあるが、残念ながら、ラボのなかのアンデルセンの物語としては、たった一つ、ナイチンゲールの絵が一枚入っているだけなのだ。でもその一枚が、なんとも私をナイチンゲールの世界に静かに引き込んでくれる。
「太陽の東 月の西」で、彼は、北斎や広重の影響を受けていると書いたけれど、彼は、小さい頃から、アラビアン・ナイトを愛読していたといわれる。それらが、彼の作品のいくつかに中国をはじめとする東洋の舞台が出てくることにつながるのであろう。
―――ぼくはやはり、おもちゃ、つまり、にせものよりも、自然、つまり本物のほうがいいなぁ、と思いました。中国の話かと思ったら、アンデルセンの話なのでびっくりしました。―――Y君(中1)
―――日本の作り物のほうがよく見えます。でも、なきごえは、ナイチンゲールとは違って、ワルツしか歌いません。
ナイチンゲールは作り物とは違って、自由に歌います。
ナイチンゲールは作り物とは違って、こわれません。心もあります。自分の思ったように動きます。つくりものとは違います。
王様が病気になられたとき、ナイチンゲールが歌を聞かせてあげたら、病気が治ってしまいました。王様にとって、命の恩人です。ナイチンゲールの温かい心が、いいなぁと思いました。―――N子(中2)
コペンハーゲンの郊外で、楽しい鳥のさえずりを聞いた。キュロ・キュロ・キュ! チーロチーロ! チッ・ツ・チチ!と元気に、あるいはけたたましくなく。その時々で、リズム、メロディが違うのだ。こちらも「そうですねえ、いい天気、気持ちのいい日ですねえ・・」などと、勝手に相槌を打ちたくなる。するとまた、「ほんとにきれいな森でしょ。わたしのうたごえきいてね。」とでも言うように、キュロ・キュロ・キュー・キュー・ツチ!と歌うのである。何かと聞いたら、「つぐみ」だという。
ナイチンゲール、うぐいす。涼しげな山で、美しくなく。静かになく。「おや、うぐいす!」。もういちど、ないてほしいな、と、待っていると、「ホーホケキョ」。奥ゆかしくなく。この鳥の鳴き声に魅せられた人は、昔から多いのだろう。
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Re:ナイチンゲール(アンデルセン)(07月04日)
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keikoさん (2004年07月04日 23時04分)
90歳になる実家の母はまだ畑仕事をしています。ときどき手伝いに行きます
が春先はうぐいすの鳴き声を聞きながらの畑仕事となります。新茶を摘む頃は
もうとても上手にないています。でも姿を見たことはなかったのですが、先
日、北海道で誇らしげにないているうぐいすを見ました。いつも鳴き声を聞く
と「ナイチンゲール」を思い出し、王様より贅沢な時をすごしていると実感し
ています。
ラボッ子たちの言葉は、新鮮でこころに届きます。
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Re:ナイチンゲール(アンデルセン)(07月04日)
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もんろおさん (2004年07月04日 23時47分)
何故か幼い頃の記憶の一つにこのナイチンゲールのお話があります。
ナイチンゲールにリボンをつけて飛ばしたらどんなだろう?
ぜんまい仕掛けのナイチンゲールってどんなの?
と思ったきおくがあります。
ラボライブラリーで再び出会えてとってもHAPPYナ気持ちになリました。
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Re:ナイチンゲール(アンデルセン)(07月04日)
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サンサンさん (2004年07月05日 06時42分)
先週土曜日のフェローシップで、ナイチンゲールの本を見せながら、ラ
ボルームから見える竹藪に御天気のいい朝になると、やってきては鳴い
ているうぐいすの話しをしたばかりでした。
タイミング良くちゃこさんのHPのタイトルに「ナイチンゲール」とあ
ったので、嬉しくなってしまいました。
勝手に私のホームページでもちゃこさんの日記にちょこっとですが、触
れさせていただきました。
すみません。
いつも格調高い文章に圧倒されています。
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