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テーマ活動「はなのすきなうし」 |
10月17日 (月) |
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絵本「はなのすきなうし」を知ったのは、およそ30年前、娘が幼児だった頃。ぼろぼろになるほどに読み、親子で親しみました。今ラボ・ライブラリーとして発刊され、音声が加わった「はなのすきなうし」。
早速パーティでとりあげ、幼児グループでテーマ活動を楽しみました。こどもたちは、牛たちがじゃれあったり、闘牛のシーンではおおあばれするものの、フェルジナンドになりたがりません。なぜか間延びする感じで、イメージが広がりません。読み聞かせてた頃の感動は、なんだったのかしら。成人した娘たちは、「大好きな本」の一冊だと、声をそろえて言いますが・・・。
そんな中、支部テュータ1泊研修で、とりあげられたのが「はなのすきなうし」。今回は英語で「すがたり」できるほどに聞き込み、研修に 臨むことが、準備課題とされていました。目標があって良いと思ったものの、現実は四苦八苦。年のせい・・とはいえないし、やれるだけやっていこうと、心に決めました。ラボっ子の気持ちがよ~くわかります。だが実際は、不十分なままで当日を迎えたのでした。
グループ活動。ラボキャンプと同じキャンプ形式で、シニアメートのリーダーシップで、進んでいきました。
「この物語のポイントはどこだと思う?」「テーマ活動として、大切にしていきたい点はどこ?」。シニアが用意していた「スペインについてのイエス・ノークイズ」「闘牛に関する豆知識」から始まったグループ活動は、和気あいあい、なごやかなムードで進んでいきました。
さすが準備してきただけあって、みんなも積極的に意見をいうし、声を出し、動いているうちに、ポイントや、テーマが絞られてきました。
フェルジナンドの気持ちや、お母さんの感情、親子の情愛、母性のあり方、子育ての姿勢、物語の進行とともにさまざまな感想が行きかい、物語が生きてきました。わが子との子育て中のできごとも話され、みなさんの解放された心の内をしることができました。Aさんは、わが子がいじめられることがたびたびあった時、「たまにはポカーンと一発やりかえしてやったら、相手がたじろぐよ。」との先生のアドバイスに、「ぼくにはできないよ。暴力はよくないから。」との返事に、「なんと優しいのだろうか。この子の個性を大切にしてあげたい。」と思ったそうです。
「『コルクの木』は優しさのシンボルかもしれないね。」・・・スペインやポルトガルに行くと、よく目にする木で、わが家の床材にもコルクが使われていますが、ソフトな感触で、あたたかく、確かに優しさを感じさせるものです。コルクの木には、守り育てるものとしてのイメージがあり、ひとりだちしたフェルジナンドを温かくみつめる・・・フェルジナンドに愛されてきたものとしての役割がある・・・との結論に達しました。始まりは、ずーと英語が過去形で進みます。しかし最後は、
He is very happy.現在形です。
こうした理解のもと、英語のみの発表が、まとめの会で行われました。それぞれのグループ、独自の解釈があり、表現のおもしろさを実感しました。牛達のシーンを大胆に表現してたグループ、プロパガンダに群がる庶民(牛達)の姿から人の本性を表したグループ。この物語の中で、やはりコルクの木は、フェルジナンド、お母さん牛、に続く大切な存在であることが理解されていました。
グループのみんなが準備し進めたテーマ活動だったから、そのおもしろさの真髄を味わうことができたように思います。スペイン留学体験のあるBさんのアドバイスで、スペイン語講座も楽しみました。
テーマ活動は、聞き込み準備と、物語であそぶ、その行ったりきたりが、言葉とイメージの追体験をテコにした発展となり、感動を伴った言葉の習得につながるのです。再認識できた研修でした。お世話になりました。
はなしを、ラボっ子の様子に戻ってみます。あの時、もっとこどもたちと、おかあさんとのことについて話したり、フェルジナンドについて話したりするなかで、物語が深まり、闘牛シーンよりむしろフェルジナンドの姿に関心がいったかもしれません。
またわが子のことについていえば、松井直さんが「わたしの絵本論」で書いていました。「ひとりの少女が、身体のおくぶかいところに宿しているこの言葉の種、そしてリズムは、まさに母親の肉体的、精神的なかたりかけによって、生き生きとした生命力を持って伝えられたものに違いありません。母親の鋭い感受性と愛情に支えられて、言葉は語りかける力を発揮し、そのリズムに支えられて、さし絵のイメージは動き出します。かくて、耳と目からの体験がぴったりと一致したとき、それはやがてこどもの口から語りだされることになります。」
わが子への「よみきかせ」の時間は、わたしにとっても至福の時であったにちがいありません。「はなのすきなうし」と再び出会って、様々な思いがよみがえってきました。
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